おひさまえんは、この3月で11年を終えますが、おひさまえんの初めての卒園生が、先日小学校を卒業しました。おひさまえんに3歳から通い始め、卒園するまでの間に2000枚以上の絵を描いた人です。彼の絵は、おひさまえんに額に入れて飾ってあります。おひさまえんの卒園式に来て、式の間にえんぴつ一本であっという間に描いてくれた絵です。でも彼はおひさまえんに来てから長い間、絵を描いたりしない人でした。私たちに描いてと要求するばかりでしたが、彼が描きたくなるまで待っていると5歳くらいからいきなり堰を切ったように描き始めました。 

彼のお母さんから頂いたメールにはこんなことが書かれてありました。

『おひさまえんを卒園する時、親以外の大人からこんなにかわいがられる事は、もうないだろうと思っていましたが、学校でも先生方からかわいがってもらってヒカリは幸せモノです。中学では美術部に入るそうです。』

誰よりも早起きして学校へ行くほど、小学校が大好きなヒカリ君だったそうです。自分の好きなこと夢中になれることを見つけて、自分の道を歩いていける子どもは幸せですね。 

津守先生の言葉の中に『出来ないことをやれるようにするのではなく、出来ることを自信を持って堂々とやれるようにするのが教育』というのがあります。 

私たち大人は子どもの将来を考えたら出来ないことを出来るようにさせるのが教育だと思っていました。大切なのは出来ないことをどうするかよりも今出来ることを自信を持って堂々とすること、好きなことを満足するまで思い切り熱中することです。そうしたら一つの自信や力が湧いてきて他のことにも取り組もうとする気持ちや力が湧いてきます。教育とはもっともっと肯定的なものなのだと思います 。

この春休み、わが子と過ごしながらたくさん可愛がりわが子の素敵なところ良いところを言葉にしてたくさん褒めてください。子どもが持っている素敵なところに気付いていますか?子どもはお母さんの言葉で自分に出会っていきます。お母さん次第です。

2013.3.22